「本に書いてある物件が市場にない。それなら、自分で作ってみよう」——ITサラリーマンが土地から新築6棟を積み上げるまで

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「本に書いてある物件が市場にない。それなら、自分で作ってみよう」——ITサラリーマンが土地から新築6棟を積み上げるまで
今回オンライン取材に応じてくださったのは、「ひーやん新築企画少将@トチサガース」として発信を続けるひーやんさん。
本業はIT系サラリーマン。若いうちは不動産と縁もゆかりもなかった40代の男性が、2017年に独学でスタート。現在は、23区内に土地から新築アパートを6棟企画・完成(うち1棟は売却済)させた実践派の投資家。

 著書『欲しい物件ないなら創れ!東京23区土地から新築アパート不動産投資実践のいろは』を2023年1月に出版。2026年6月現在、Amazonレビュー100件・評価4.6を獲得していいます。 
宅地建物取引士(2020年取得)、二級建築士(2022年取得)など、本業と不動産投資を続けながら専門資格も取得しました。

さらに、土地探しを効率化する自作ツール「トチサガース」を開発・公開し、投資家仲間に限定公開するなど幅広く活動されています。
今回のインタビューでは、
・区分マンションから「土地から新築」にたどり着いた経緯
・横浜の崖地・旗竿地・告知事項ありの物件で経験した失敗の数々
・1棟目の師匠「黒神様」との出会いと、その後の展開
・二級建築士を取得してまで自力でプランを学んだ理由
・6棟目で地中から浄化槽が出てきた最新エピソード
・今の市況と今後の見通し
について、リアルな言葉で語っていただきました。

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【人物紹介】

ひーやんさん|X:@ichiyoku横浜在住、40代のITサラリーマン不動産投資家。
2017年10月から不動産投資を開始。同時期に個人ブログ「ひーやんの欲張り不動産投資」(ichiyoku.net)も開設。

  • 保有資格:宅地建物取引士(2020年取得)、二級建築士(2022年取得)、2級FP技能士、賃貸不動産経営管理士
  • 東京23区内を中心に土地から新築アパートを6棟企画・完成(うち1棟売却済)
  • 5棟合計の年間家賃収入約3,600万円超、含み益1.4億円超(2026年6月時点)
  • 著書『欲しい物件ないなら創れ!東京23区土地から新築アパート不動産投資実践のいろは』はAmazon不動産投資部門ベストセラー1位を獲得
  • 土地探しの自作ツール「トチサガース」を開発・公開(2025年12月に一次募集、2026年3月に二次募集を実施)
  • X(旧Twitter)フォロワー7,739人(2026年6月15日現在)

知識ゼロから不動産投資活動を始めた2017年秋

2017年10月に開設したブログ「ひーやんの欲張り不動産投資」。投資の実践記録や学びを発信し続けている。

 

TSON君:
不動産投資を始めたきっかけを教えてください。

ひーやんさん:
20~30代は仕事が多忙でした。40代にさしかかって、役職が上がってようやく時間ができたんですが、気づいたら、周りはみんな若いうちから投資や資産運用を始めていたんですよね。
それがきっかけです。勉強してみたら、手持ち資金的に、不動産投資が一番ということになりました。

TSON君:
ブログはどうして始めたんですか?

ひーやんさん:
本で学んだことや実践したことをインプットだけで終わらせると自分自身が成長できないなと思ったので、勉強と同時にブログも始めました。書くことで頭の中が整理されますし、記録にもなります。
あとは周りに不動産投資をやっている人が一人もいなかったんですよ。なので、同じことをやっている人と繋がりたいという気持ちがありました。

TSON君:
ブログを始めてから、最初の物件を購入するまですごく早かったとか。

ひーやんさん:
2017年10月に情報収集やブログなど不動産投資に関する活動を本格的にスタートして、その年末にはもう1件目の土地に買い付けを入れてました。3ヶ月ですね。いまから振り返ってもあっという間で、とても濃密な時間を過ごしました。

TSON君:
3か月とはすごい!一体なぜそこまで早く行動できたのでしょうか。

ひーやんさん:
行動力に関しては当時読んでいた、Casegood(カセグッド)の村上俊介さんという方の著書の影響が大きかったですね。著書で印象に残っていたのが「大量行動」という考え方でした。
そこに書いてあったのは「考えているだけでは何も進まない。成果を出している人は、とにかく大量に行動している人」そういう内容だったんです。

それを読んで、「とにかく動かないといけない!」という気持ちに駆られました。
物件を見に行く、業者に会う、セミナーに行く、買い付けを入れる。そんなことをひたすら繰り返していました。

中古・区分も検討のうえで「土地から新築」にたどり着いた理由 

ひーやんさんが初めて出掛けた、記念すべき土地から新築の1棟目。(2019年2月竣工)

TSON君:
区分マンションや中古アパートではなく、最初から「土地から新築」で進めていこうと思ったのには何か理由がありますか?

ひーやんさん:
狙ったというより、結果的に土地から新築になった、というのが正解です。

はじめは区分マンションを買いたいな、と思っていました。当時は区分マンションの本を買っていましたし、実際に探していました。
でも、探していくうちに、よく本で書かれているような「表面利回り10%、駅徒歩10分以内、築10年以内」なんて条件の物件は全然なかったんですよね。本の内容自体が、2017年よりも3~5年ほど前の情報だったのでなかなか厳しいなと。なので、築古・築浅アパート、新築建売にも視野を広げて、2週間スパンぐらいで一通り見て回りました。業者さんにも話を聞いて、現地も見に行って。

ただ、私自身が石橋を叩いて渡るタイプなので、何かしら不安があると手が出せない。買いたい気持ちはあっても、市場に出ている既存のものは「この物件はここがこうだからな」と粗を探してしまうんです。

結局、欲しい物件がないなと思っていた時に、先ほどの村上さんの著書や発信の中で、「セミプロの投資家は市場にある物件を買うのではなく、自分で利回りの高い物件を作り上げる」という考え方に触れたんです。 その一つの方法として、土地を買って建物を建てる、土地から新築という手法が書かれていたので、それならやってみようと。

TSON君:
なるほど。それにしても、いきなり建てるのは、かなり大きな決断だったと思います。
そうした挑戦を始めるにあたって、ご家族の反応はいかがでしたか? 

ひーやんさん:
女性の中には「投資」と聞くと、不安や怖さを感じる方もいると思います。ただ、妻はまったく逆のタイプでした。どちらかというと「いいじゃん!いいじゃん!」と背中を押してくれるタイプで、最初から前向きに応援してくれていましたね。とてもありがたかったです。

築35年・11㎡、不適格擁壁、告知事項。見送った物件から学んだこと 

ひーやんさん著『欲しい物件ないなら創れ!東京23区土地から新築アパート不動産投資実践のいろは』。 (Amazonにて販売中)

TSON君:
「どうしても購入に踏み切れなかった」という印象的な物件はありますか? 

ひーやんさん:
横浜で駅から徒歩15分ぐらいの築35年のアパートが、表面利回り10%超えで出ていたんですよ。「これが1棟目になるかも!」とワクワクしながら現地にも行ったんですが、部屋がなんと11平米!(笑)
私は九州出身なので、都市部でもそこまで詰め込んで利回りを上げるのは、さすがにきついんじゃないかと思って。
でも、念の為にその時読んでいた不動産投資本についていた収益シミュレーションのエクセルを使って試算してみたんです。すると、4年ほどで減価償却が終わり、キャッシュフローが急激に悪化する。最初はいいんですが、出口で売却するときも苦労しそうで、築古はなかなか厳しいなと思ったのは覚えていますね。しかも、崖地にある物件でした。

TSON君:
横浜あたりは、崖地も多いですよね。

ひーやんさん:
はい。その物件以外にも検討したことがあります。崖地の上にある戸建を解体してアパートを建てる、という計画だったんですが、擁壁が5mほどあって。買付を入れた時には不適格擁壁とは分からず、ちゃんと調べるように仲介業者さんに言われて。
それで、調べてみると、実はこれが不適格擁壁だったんです!是正するのに追加で1,500万円ほどかかるとか・・・それで断念(苦笑)。

TSON君:
ひーやんさんのブログで物件を拝見していると、現在は都内を中心に、整形地や角地を好まれている印象があります。

ひーやんさん:
最初は旗竿地を検討していました。ただ、実際に動いてみると、土地値が市場の70%ぐらいに下がったり、融資でも金融機関に嫌がられる場面があって。
整形地の方が融資評価が出やすいことがわかりました。融資評価がつきやすければ、出口もとりやすくなるので、多少高くてもそれは取り返すことができます。

また、整形地だとどんな建物が入るかをイメージしやすいので、建築プランが立てやすく、早く判断できます。結果的に、買付を入れるスピードに大きく関係します。 

現地確認はGoogleマップで下調べを済ませ「現地でしか分からないことだけを見に行く」

TSON君:
土地を見に行くときに、何か意識していることはありますか?

ひーやんさん:
今はGoogleマップで事前にかなりの情報を確認できるようになったので、現地に行く前にほぼ一通り調べていきます。道路の幅、周辺環境、前面の状況など。
現地では、Googleマップでは分からない情報だけを確認するイメージです。

TSON君:
具体的にはどんなことを確認されていますか?

ひーやんさん:
一番よく確認するのは、工事車両がちゃんと入れるかどうかです。狭い道路沿いの土地だと、大型の建設車両が入れないケースがあるので、動画を撮って「ここ入れそう?」と後から聞いたりします。
あとは周辺に変わった施設ができていないかとか、ストリートビューでは分からない変化を自分の目で見に行くという感じですね。

「自分で判断できる投資家になりたい」二級建築士取得と分離発注で学んだこと 

手元資金が限られる中、少しでも建築費を抑えようと分離発注に取り組んでいた2棟目。 

TSON君:
二級建築士を取得されたとお伺いしました。

ひーやんさん:
はい。不動産投資を始めてから取得しました。その理由はやはり私が土地から新築をやっているからです。
1棟目の頃は、ブログを通じて知り合った黒神様という方に、本当に手取り足取り教えていただきました。ただ、2棟目、3棟目と進む中で、毎回誰かに頼るわけにもいきません。
土地が出てきた時に、「この土地なら何戸入るのか」「どれくらいのボリュームが取れるのか」「事業として成立するのか」。そういった判断を自分でできるようになる必要がありました。

当時はボリュームチェックを工務店やわん一級建築士(下記リンク参照)等にお願いしていましたが、その方が10年後も20年後も同じようにサービスを続けている保証はありません。事業として長く続けるのであれば、自分自身が最低限の知識を持つべきだと思ったんです。

もちろん、建築士と同じレベルの知識が必要というわけではありません。ただ、建築士さんと同じ言葉で会話ができること。土地を見た時に、おおよその建物イメージが描けること。
ただ、これは土地から新築をやるから必要な知識であって、普通に販売されている物件を購入してスタートする人はそこまでやらなくていいと思います。

TSON君:
最初の頃は分離発注もされていたとか。

ひーやんさん:
はい。ただ、それも必要に迫られての苦肉の策で、最初の頃は手元資金も多くなかったので、地盤改良やエアコン工事なども分離発注して、少しでも建築費を下げて利回りをあげようと頑張っていました。

TSON君:
いまでも工務店におまかせではなく、全て別々に発注されているのですか?

ひーやんさん:
いえ、いまはしていません。分離発注はコストを下げられるというメリットがありますが、逆に言えばそれしかメリットがなく、デメリットがかなりあります。

TSON君:
どんなデメリットがあるのでしょう?

ひーやんさん:
例えば工務店と下請業者の間で、「ここはどちらの工事範囲なのか」という責任の押し付け合いが起きることがあります。不具合が出ても、「それはうちの工事ではありません」「いや、その前の工程の問題です」という話になってしまうんです。

保証の範囲も曖昧になりやすいので、結局は自分が間に入って調整しなければいけません。その手間や精神的な負担を考えると、数十万円のコスト削減と見合わないケースも多かったんですよね。

今は工務店さんを2社に絞ってお願いしています。もちろん利回りは大切ですが、長く続けていくためには再現性や手離れの良さも重要だと思ってます。

土地値は上がる?家賃は?ひーやんさんが見る2026年後半からの市況

TSON君:
ナフサショックなど、現在の市況についてはどのように見ていますか。

ひーやんさん:
私の投資エリアは東京23区が中心ですが、土地価格については一旦落ち着いてきた印象があります。もちろん昔と比べれば高いですが、1年前ぐらいと比べても、毎月大幅に上がっている感じはなくなりました。
利回りで言うと、2019年や2020年頃に土地から新築をやられている投資家さんは8%前後で建てている方が結構います。ただ、今はそういった条件の土地はなかなか市場に出てこないんですよね。仮に出てきたとしても、本当に一瞬でなくなります。いわゆる「蒸発物件」です。

だからこそ、良い土地を取得するためには、常に情報をチェックして、いち早く検知できる状態を作っておくことが大事だと思っています。今の市況であれば「7%を超えられれば十分合格ライン」という感覚です。家賃の上昇以上に土地価格や建築費が上昇しているので、土地から新築を取り巻く環境は以前より厳しくなっています。

とは言っても、家賃はかなり上がってきています。体感ですがエリアによっては1〜2割近く上がっていますね。以前では考えられなかった家賃設定でも決まりますし、「これ決まるかな?」という家賃帯で募集を出しても比較的早く埋まります。

建築費については正直まだ厳しい状況が続いています。最近はホルムズ海峡の問題も話題になっていますが、それが解消されたとしても、一度上がった建築費が元に戻ることはあまり期待していません。
ウッドショックの時もそうでしたが、一度上がった価格はなかなか下がらないんですよね。
なので私は、「そのうち安くなるかもしれない」と待つのはあまり意味がないかなと思っていて、良い案件があるなら今動いた方がいいと思っています。

ナフサショックに関しては、設備の納期が未定になってしまう問題があるので、見通しが明るくなるかどうかの判断は必要だと思います。

TSON君:
建築費の高騰や納期の問題はあるものの、ひーやんさんとしては「いい土地があるなら、今も土地から新築で動くべき」というお考えなんですね。

ひーやんさん:
築浅の物件も見ていますが、自分で建てた方がいいかなと思っています。
というのも、築浅物件の利回りもかなり下がっているんですよね。以前だったらもう少し取れていたんですが、今は築浅で探しても7%、8%という物件はなかなか見つかりません。

私自身、2020年前後に新築で建てていた頃は7〜8%ぐらいを一つの目安にしていました。ただ、今の市況だと7%を超えれば十分かな、という感覚です。
家賃は確かに上がっています。ただ、それ以上に土地価格や建築費が上がっているので、土地から新築を取り巻く環境は以前より厳しくなっていますね。

TSON君:
最近は金融庁による不動産融資への指導強化なども話題になっています。融資環境についてはどのように感じていますか?

ひーやんさん:
実際、以前より融資審査が厳しくなっているのは間違いないと思います。ただ、私の投資エリアである東京について言えば、金融機関の数自体は非常に多いので、一つの金融機関がダメだったから終わりという話ではなくて、しっかり開拓していけば融資先は見つかる環境ではあるんじゃないかと思っています。
もちろん、以前のように誰でも簡単に融資が引ける時代ではありませんが、それは土地から新築に限った話ではなく、不動産投資全体としてそういう流れになっていると感じます。

最初は2棟並行。今は「一棟ずつ」に変えた理由

売買契約後に地中から浄化槽が見つかった6棟目。含み益は驚異の4,200万円。(2026年2月竣工)

TSON君:
物件を建てる時は同時並行で企画して建築しているのでしょうか?

ひーやんさん:
最初の1棟目と2棟目は並行して進めていました。ただ、その後は基本的に一棟建てて、竣工してから次へ、という形にしています。一番大きな理由は、経験を次に活かせるからです。

例えば土地の選び方、建築プラン、工務店とのやり取り、融資の進め方など、実際にやってみると毎回学ぶことがあります。同時に何棟も進めてしまうと、その学びを次の案件に反映させる前に進んでしまうんです。その点、一棟ずつ進めれば、「前回こうした方が良かったな」という経験をすぐ次に反映できます。

あとは、やっぱりリスクの問題もあります。資金面もそうですし、工務店の施工リスクや融資環境の変化などもあります。
同時に複数進めるより、一棟ずつ進めた方がコントロールしやすいんですよね。今の自分には、このやり方が合っています。

TSON君:
物件が一つ完成すると、古い物件を一つ売る、いわゆる「ところてん方式」のような考え方はされているのでしょうか。

ひーやんさん:
最初はそう考えていました。実際、これまでに1棟だけ売却したことがあります。土地から新築を始めた当初は手元資金も多くなかったので、売却して現金を増やしながら次に進むことも考えていました。

それに、含み益というのはあくまで評価上の話なので、本当にその価格で売れるのかを一度確認してみたかったんですよね。その時に売却した物件は、建築時の表面利回りが9.5%ほどでした。結果としては想定していた以上に良い条件で売却できて、手元にもまとまった現金が残りました。

その経験を通じて、「含み益は本当に実現できるんだな」という感覚を持てたのは大きかったですね。ただ、今は以前ほど売却を考えていません。
理由はいくつかあるんですが、一番大きいのはキャッシュフローが積み上がってきたことです。保有物件から毎月家賃収入がありますし、手元資金も以前と比べるとかなり余裕が出てきました。

なので、「次の物件を建てるために売却しなければいけない」という状況ではなくなったんです。それに家賃もかなり上がっていますからね。以前は表面利回り8%台だった物件でも、家賃上昇によって実質的な利回りはかなり改善しています。

今の市況で売却して同じスペックの物件をもう一度建てようとすると、土地も建築費も高くなっているので、むしろそちらの方がリスクが大きいと思っています。
出口についても、一度売却を経験したことでそこまで不安はなくなりました。今は無理に回転させるよりも、納得できる物件を一棟ずつ丁寧に積み上げていこうと考えています。

TSON君:
木造だと20年ぐらいで出口が危うくなるのではないでしょうか?

ひーやんさん:
それが、そうでもないです。都内は築20年でもすごい高額で売れています。耐用年数よりも、23区という資産性重視で取引されている感じがしますね。

「人の役に立つ仕組みを作りたい」トチサガースとAIへの挑戦 

土地探しの手間を減らすために開発した「トチサガース」。現在も投資家のフィードバックをもとに改善を続けている。 

TSON君:
発信の面でこれから挑戦したいことはありますか?

ひーやんさん:
すでに始めていることなんですが、一つは「トチサガース」です。
2025年12月からスタートしたんですが、土地の効率化を図りたかったんですよね。土地から新築をやっていると、とにかく土地探しに時間がかかるんです。私自身も何年もやってきましたが、毎日ポータルサイトを見て、条件に合う土地が出ていないか探して、ボリュームを入れて、また探して……という作業の繰り返しでした。

そこで、自分が楽になるように作ったのがトチサガースです。
最初は完全に自分用だったんですが、投資家さんたちからフィードバックをもらってツールを育てていく、というのを始めました。せっかくなら同じように土地探しで苦労している人の役に立てればと思って、少しずつ改善しています。

TSON君:
トチサガースの利用にあたって、今は新規の方も募集もされているのでしょうか?

ひーやんさん:
定期的に募集を行っています。ただ、利用枠には上限があるので、現在は「優先案内待ち」という形でお待ちの方もいます。基本的には、既存ユーザーの方が利用を終了されたタイミングで空き枠を開放し、順番にご案内している形ですね。
リリースから今まで木造だけだったんですが、先月(2026年5月末)からRC版の土地ツールも作りました。なので、最近は新築RCの投資家さんたちからもフィードバックをもらって、さらにブラッシュアップ中です。

本業ではAI推進のような役割を担当することが多いので、その知識をうまくツールにも取り入れたいですね。自分だけのために開発するのはモチベーションも上がらないので、人に喜んでもらえると刺激もあって嬉しいですね。

民泊は?コンサルは?ひーやんさんが考えるこれからの働き方

TSON君:
今後、本業を退職して不動産投資をメインに活動していくことは考えていますか?

ひーやんさん:
サラリーマンは辞めて、いずれ何か自分が好きなことを、という考えはありますが、不動産業一本で本業にするという考えはあまり考えていません。「不動産投資となにか」という形でできればと思います。

TSON君:
最近は都内でも民泊や旅館業が盛り上がっていますが、ひーやんさんご自身はそういった方向への展開は考えていらっしゃいますか?

ひーやんさん:
気にはなっているんですが、それなりに運営の難しさも感じています。
私の場合、土地から新築で建てたあとに、そのまま民泊運営までやるモチベーションは、そこまで高くないんですよね。 資金や出口戦略に困っているわけではないので、今のところ必要性をあまり感じないからやらない、というのが正直なところです。

TSON君:
賃貸アパートだけで収支がまわる、というのは投資家として理想的ですね。トチサガースやAI活用のお話を聞いていると、ひーやんさんのところには「直接教えてほしい」「相談したい」という声も多そうですね。コンサルティングや個別相談のような活動は、今後考えていらっしゃるのでしょうか?

ひーやんさん:
今のところは、あまり考えていないです。
というのも、自分自身の物件を進めるだけでも時間がかかって精一杯な状態です。土地探しもありますし、建築もあります。その中で、誰かの投資判断に責任を持つとなると、サラリーマンをやりながらではなかなか難しいと思っています。
もちろん、お問い合わせをいただいたり、相談を受けたりすれば、分かる範囲でお手伝いはします。実際、これまでもそうしてきました。

ただ、私はどちらかというと、おせっかいな性格なんですよね(笑)。お金をいただく・いただかないという話ではなくて、一人ひとりにかける時間がどうしても長くなってしまう。複数の方を同時にサポートしていくとなると、自分の時間とのバランスが取れなくなるんですよね。 
なので、今後もコンサル事業を大きくやるというより、自分が経験してきたことをブログやSNS、トチサガースなどを通じて発信していこうと思っています。 

「誰と出会うかで人生は変わる」これから始める人へのアドバイス

「その物件はやめた方がいいよ」—— ブログがきっかけでつながった黒神様。ひーやんさんにとって最初の師匠のような存在となった。 

TSON君:
最後に、これから不動産投資を始める方へアドバイスやメッセージをお願いします。

ひーやんさん:
やっぱり一番大きいのは、人との出会いだと思います。実は、1棟目を検討していた頃に、ブログ経由で連絡をくださった方がいました。先ほど少し名前が出てきた「黒神様」という方です。

当時、私がある物件を検討していて、そのことをブログに書いたところ、お問い合わせフォームから「その物件は私も検討したけれど、やめた方がいいですよ」という連絡が来ました。
最初は正直「怪しいな」と思いました(笑)。ただ、お話を聞いてみると、物件の問題点を非常に具体的に説明してくださって。「この人は本当に経験がある人なんだな」と感じたんです。その方が、後に私の師匠のような存在になる黒神様でした。

TSON君:
それはすごい出会いですね!そこから実際にお会いされたんですか?

ひーやんさん:
そうですね。せっかくのご縁ですし、一度お会いしてみようと思って、実際に会いに行きました。お会いしてみると、ブログやメールのやり取りだけでは分からないことも、本当に親切に教えてくださいました。
しかも、家族構成や年齢も近かったんですよね。そんなこともあってか、黒神様からは「これから活動していく人だと思うし、伸びていくと思うから力になりたい」と言っていただいて。
当時の私は不動産投資仲間もほとんどいませんでしたし、土地から新築を実際にやっている方の話を直接聞ける機会もありませんでした。だから、本当にありがたかったですね。

TSON君:
まさに土地から新築の先輩だったんですね。

ひーやんさん:
そうですね。1棟目を建てる時もかなり相談させてもらいました。もちろん最終的に決めるのは自分なんですが、分からないことだらけの時に相談できる人がいるというのは本当に大きいです。
土地から新築って、本やネットで勉強できることも多いんですが、実際にやると本に書いていないことが次々に出てくるんですよ。
その時に、すでに経験している人から話を聞けるかどうかで、進み方が全然違うと思います。

だからこれから始める方も、ぜひ同じ投資スタイルの先輩投資家と繋がってほしいですね。私自身、黒神様との出会いがなければ、今のようには進めていなかったと思います。
別の方と出会っていたら、土地から新築ではない別の投資スタイルだったかもしれません。そういう意味で言うと、最初に出会う方というのは、とても重要だと思います。
サロンやセミナーなどに行って、先輩大家さんや投資投資家さんからリアルなことを教えてもらい、人脈を広げるのが良いかなと。 不動産投資をされている方はGIVERが多いので、結構みんないろいろ教えてくれますよ。 

まとめ

ひーやんさんの歩みを振り返ると、一貫しているのは「ないなら自分で作る」という姿勢です。
本に書かれているような条件の良い物件が市場に見当たらない。既存物件を見ても、どこかに不安が残る。だからこそ「土地から新築」という道を選びました。

崖地や不適格擁壁、11㎡の狭小アパートなど数多くの物件を検討しながら経験を積み、ブログがきっかけで出会った黒神様から多くを学びました。さらに、ブログ運営、物件探し、資格取得を並行しながら、一棟ずつ着実に実績を積み重ねてきました。
現在も7棟目を探しながら、土地探しを効率化する「トチサガース」やAI活用にも取り組んでいます。

ひーやんさんの発信に興味をお持ちの方は、ぜひXアカウント(@ichiyoku)をフォローしてみてください。著書『欲しい物件ないなら創れ!東京23区土地から新築アパート不動産投資実践のいろは』もあわせておすすめです。

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増澤 貞昌

増澤 貞昌

不動産投資家 宅地建物取引士 令和3年行政書士試験合格

新卒で株式会社リクルートに入社したのち、20代のうちに起業する。
2014年株式会社鎌倉新書取締役に就任、同社はマザーズに上場(現在はプライム市場)。
リーマンショック後に個人で不動産投資を始める。地方築古、区分マンション、民泊運営、中古RC、新築RCなどの投資を経験。
自身のITスキルを活かして、情報収集ツールや物件の収益分析ツールを自作し、最小の労力で最良の意思決定をすることを強みにしている。
京都大学農学部卒業。

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