SDGs・ESG不動産投資って何?儲かるの?初心者にもわかる仕組みと成功のコツ

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SDGs・ESG不動産投資って何?儲かるの?初心者にもわかる仕組みと成功のコツ
近年「SDGs」や「ESG」という言葉を不動産業界でも目にするようになりました。
環境や社会への配慮が問われる時代になり、持続可能な経営や投資が重要視されています。

一方で「環境に配慮するとコストがかかって儲からないのでは?」といった不安から、SDGs・ESG投資に踏み切れないという投資家の方も少なくありません。
果たして、SDGsやESGを意識した不動産投資は、本当にリターンが見込めるものなのでしょうか?
今回はその仕組みや実例、収益性について詳しく解説していきます。

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SDGs・ESG不動産投資の基礎知識

まずは、SDGs・ESG投資の定義と具体的な実践例をチェックしていきましょう。

SDGsとESGの定義と違い

「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」のことです。
貧困や気候変動、ジェンダー平等など、2030年までに解決すべき17の国際目標が設定されています。
不動産業界においても、「エネルギーの使用量削減」「環境にやさしい建築材料の使用」「地域経済への波及効果」など、さまざまな領域でSDGsの目標達成に貢献できる要素があります。

また「ESG(Environment, Social, Governance)」とは、企業活動や投資先の“非財務面”を評価するための視点として用いられる概念です。
環境・社会・ガバナンスの3要素を軸に、企業がどれだけ持続可能な成長を目指しているかを測る基準として、投資家の注目を集めています。

指標概要不動産における例
Environment(環境)環境への影響や資源管理省エネ性能の高い建物、再生可能エネルギー活用、断熱設計など
Social(社会)社会との関係や福祉への配慮地域雇用、バリアフリー対応、テナントの健康支援
Governance(統治)組織の透明性や倫理観管理体制の明確化、法令順守、情報開示

SDGsは「世界全体の目標」、ESGは「企業や投資先の評価軸」という違いがありますが、どちらも今後の不動産運用を考えるうえで無視できない存在となっています。

不動産業界における持続可能性とは

「サステナビリティ(持続可能性)」というと環境面ばかりに目がいきがちですが、不動産においては「資産価値をいかに長期的に保つか」という観点も非常に重要です。
以下は、不動産投資における“持続可能性”を考えるうえで、近年注目されている要素の一例です。

エネルギー効率性LED照明・断熱材・二重サッシ・太陽光発電などの導入により、長期的な光熱費の削減が期待できます。またエネルギー効率の高い建物は金融機関からの評価も高まります。
地域コミュニティへの貢献建物は単体ではなく“地域の一部”として存在しているため、近隣住民との関係性や地域経済との連携が不可欠です。周辺住民との協働やイベントスペースの提供など、地域に根ざした施設運営によって不動産の価値向上を見込めます。
テナントの健康・ウェルビーイング自然光を取り入れる設計や換気性能の高い建物は、入居者の満足度と健康を支えます。騒音対策などが行き届いている物件は退去率が低く、空室リスクの対策としても有効です。
資産価値の維持上記のような“持続可能性に配慮した設計”は、将来にわたって資産価値が落ちにくい建物を形成します。時代の価値観に対応することで売却時の評価も高まり、資産形成の観点でも大きなメリットがあると言えます。

倫理性の具体的な実践例

ESG投資の“Social”や“Governance”の観点では、「倫理性」や「社会的配慮」も重視される要素の1つです。
ここでは、不動産開発や運用の現場で実際に取り組まれている事例を紹介します。

フェアトレード認証を受けた建材の使用

木材やタイル、石材など、建築資材の中にはフェアトレード認証を受けたものがあります。
開発途上国での適正な労働環境の保護や、持続可能な資源利用に貢献する建材を選ぶことで、グローバルな倫理意識の高さを示すことができるでしょう。

地域雇用の創出

建築工事や清掃、メンテナンス業務において地域の事業者や住民を積極的に雇用することは、経済的効果だけでなく社会的信用の向上にもつながります。
地域からの支援や協力も得やすく、結果的に運営がスムーズになるという副次効果も期待できます。

高齢者・障害者に配慮したバリアフリー設計

エレベーターやスロープ、音声案内の設置といったバリアフリー設計も、ESGの社会的要素を満たす施策です。
日本は高齢化が進んでいるため、こうした配慮がある物件は将来的にも需要が高まると考えられます。

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「SDGs・ESG投資は儲からない」という誤解を検証

投資家の中には「SDGs・ESG投資はコストがかかって儲からない」と考えている方も少なくありません。
ここでは、様々なデータや事例を交えながら、SDGs・ESG投資のコスト面に関する実態を解説していきます。

収益性に関する3つの誤解

誤解1:「環境配慮はコストがかかるだけ」

省エネ設備や再生可能エネルギーを導入するには、当然ながら初期投資が必要です。
しかし運用開始後はコスト削減効果が大きくなるため、中長期的な視点では収益性の向上が期待できるのです。

例えば、あるオフィスビルで全館の照明をLEDに交換した結果、年間の電気代が約40%削減されたという事例があります。
導入時には500万円程度の費用がかかりましたが、年間で約200万円のコスト削減を見込めるため、約2.5年で投資を回収できる計算になります。

また断熱性能の高い建物では、空調コストが約20~30%削減されたというデータもあるようです。
省エネ性能の高さは「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」や「BELS認証」などの公的評価につながることから、物件の市場価値を高めるうえでも効果的だと言えるでしょう。

誤解2:「社会貢献は利益を圧迫する」

従来はコスト増の要因と見なされがちだった「地域貢献」や「福祉対応」も、現在では企業の社会的信頼性を高める有効な手段として再評価されています。
たとえば、障害者雇用を積極的に行っている賃貸住宅管理会社では、地方自治体から補助金を受給できたり、融資時の信用評価が上がったりするなどの実利的なメリットも生まれています。

さらに、世界的なESG資産への資金流入が年々増加しているという点も注目したいポイントです。
世界のESG投資残高は、2020年時点で約35兆米ドルを突破しており、現在も成長が続いています。
ESG評価の高い不動産やREIT(不動産投資信託)には海外機関投資家の資金が集中する傾向もあり、「社会的配慮=収益減」という固定観念はすでに過去のものとなりつつあります。

誤解3:「ESG物件は価格が高すぎる」

環境性能や福祉対応を備えた物件は建築コストが高くなりがちですが、“価格が高い=割高”とは限りません。
まず、ESG対応物件はテナントの入居期間が長くなる傾向があります。
快適性・安全性が高い物件は退去率が低く、空室リスクを低減できれば安定したキャッシュフローも見込めます。

加えて、売却時のプレミアム効果も見逃せません。
近年は「環境認証付き物件」や「ZEB化されたビル」などに、通常の不動産よりも高値がつく傾向があり、資産としての評価が維持されやすいという利点があります。
特にREIT市場では、ESG方針を掲げる投資信託が注目されており、こうした物件は資金流入の恩恵を受けやすくなっています。

ESG不動産投資は融資が受けやすい

金融機関からの融資を利用する際に優遇を受けやすい点も、ESGに取り組む実務的なメリットの1つです。
特に地方銀行や信用金庫では地域密着型の経営方針とSDGsの親和性が高く、「環境に配慮した建物を建てる」「地域雇用を生み出す」「福祉住宅を提供する」といった明確な目的があれば、通常よりも好条件の金利・借入枠が提示されるケースも増えています。

実際に、木造賃貸アパートへの太陽光発電および高断熱材の導入を事業計画書に明記したところ、担当の金融機関から「SDGs支援枠」での低金利融資を提案されたという事例もあるようです。
返済期間も通常より長く設定され、キャッシュフローに余裕を持たせた経営が可能になったといいます。
こうした制度を活用することで、借り入れコストの抑制と信用力向上の両立を実現できるようになるでしょう。

不動産オーナーや個人投資家にとっての「現実解」としてのESG

SDGs・ESG投資には様々なメリットがありますが、だからといってすべての投資家がいきなりESG対応の大規模プロジェクトに取り組むというのは現実的ではありません。
またSDGs・ESGに完全準拠した物件開発を行うにはノウハウやコストが必要なため、ハードルが高いと感じる投資家の方も少なくないでしょう。

このような場合は、堅実な収支計画を立てやすく、金融機関からの融資も受けやすい物件(例:通勤圏内にある新築木造アパートなど)がESG投資の「入口」として最適です。
近年は断熱性や再エネ対応を少し取り入れるだけでも評価が変わってくるため、まずはできる範囲で少しずつESG要素を取り入れるという柔軟な姿勢が求められているといえます。

旅館業や民泊でのSDGs・ESG実践事例

SDGs・ESGへの取り組みは、大手不動産や開発業者だけでなく、個人の投資や運営でも実践されています。

特に近年注目されているのが、旅館業や民泊事業におけるSDGs・ESG要素の導入です。
ここでは、実際に投資家が取り組んだ3つの事例を紹介しながら、その成果や工夫、金融機関の評価などを詳しく見ていきます。

旅館に投資したAさんの例

地方都市の古民家をリノベーションして旅館を開業したAさんは、「地域共生」をテーマに事業を構築しました。
SDGsの目標にもある地産地消・地域文化の保護を強く意識し、以下のような取り組みを実施しています。

  • 地元の農産物や特産品を活用した朝食メニューの開発
  • 近隣の伝統工芸体験や文化ガイドツアーとの提携
  • 清掃・運営スタッフとして地元の高齢者を積極的に採用

これらの取り組みは、単なる「地域貢献」にとどまらず、宿泊客からの高評価にもつながりました。
宿泊予約サイトでも「地域と一体となった旅館体験」が好評を博し、オープンから2年経った現在も稼働率が80%を超えるなど、安定した運営を実現しています。
また開業にあたって、地域雇用の創出や伝統文化の活用といった社会的意義を事業計画書に明記したことで、地元信用金庫からの低金利・長期融資の獲得にもつながりました。

創エネを活用したBさんの例

郊外で戸建て民泊を運営するBさんは、「環境への配慮と収益性の両立」をテーマに、ESGの“E(環境)”要素を前面に打ち出した以下の工夫を行っています。

  • 屋根上の太陽光パネルによる自家発電
  • 雨水タンクを設置してトイレや植栽への再利用
  • ゴミの分別とオーガニック洗剤の使用による環境負荷軽減
  • LED照明と高断熱窓による電気・空調コストの削減

初期費用として300万円程度かかりましたが、太陽光発電の導入や断熱性能の向上によって電気代・空調費等を大幅にカットでき、年間合計で30万円以上のランニングコスト削減を実現しました。
さらに、環境配慮型の施設として口コミ評価が上がったことで、宿泊単価を10~15%引き上げても稼働率を維持できるようになりました。
結果として、ESG導入前より実質利回りが1.6倍に上昇したという成果を得ています。

インバウンド需要をESGに繋げたCさんの例

訪日観光客向けの一棟貸し民泊を展開するCさんは、インバウンド需要の復活を見越して「サステナブルな宿泊体験」を前面に打ち出したプランを設計しました。
具体的には、以下のような施策を取り入れています。

  • 無添加・国産アメニティの提供
  • プラスチック使用の最小化(再利用可能な容器等)
  • サステナブルツーリズムに対応した英語ガイドの設置
  • 宿泊者への環境配慮啓発ブックレットの配布

これにより、特にヨーロッパや北米といったESG意識の高い観光客からの予約が増加しました。
また海外旅行サイトでも高評価を獲得し、通常の民泊より20〜25%高い宿泊単価でもコンスタントに予約が入る状況となっています。
また自治体から「地域の観光資源保護に協力する宿泊施設」として認定され、地域のブランディングや広報効果にも寄与しています。

まとめ

  • SDGsやESGの取り組みは、社会貢献だけでなく、投資としての収益性も十分に期待できる
  • 初期コストはかかるが、長期的なコスト削減・資産価値向上につながる
  •  金融機関からの評価が高く、融資を受けやすいなどのメリットもある

SDGs・ESG投資は知識と準備が必要なため、誰でも簡単に実践できるというわけではありません。
こうした投資に関心がある方も、まずは王道の「都心通勤圏の新築木造賃貸アパート」など、堅実な物件からスタートするのが現実的です。
融資も受けやすく、収支の安定も見込めるため、初心者にもおすすめと言えるでしょう。

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増澤 貞昌

増澤 貞昌

不動産投資家 宅地建物取引士 令和3年行政書士試験合格

新卒で株式会社リクルートに入社したのち、20代のうちに起業する。
2014年株式会社鎌倉新書取締役に就任、同社はマザーズに上場(現在はプライム市場)。
リーマンショック後に個人で不動産投資を始める。地方築古、区分マンション、民泊運営、中古RC、新築RCなどの投資を経験。
自身のITスキルを活かして、情報収集ツールや物件の収益分析ツールを自作し、最小の労力で最良の意思決定をすることを強みにしている。
京都大学農学部卒業。

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