2024年3月28日
事業計画の立て方
不動産投資で成功するためには、事前にしっかりと事業計画を立てることが重要です。計画通りに進まない可能性はありますが、計画を立てることで現状の評価やリスクの把握、正しい物件選びが可能になります。
間違った物件を購入してしまうと、大変なことが起こります。まず、家賃よりも借入金の方が大きくなると、毎月の手出しが発生し、損失を抱えてしまいます。売却しても残債が残る場合もあり、売却すらできなくなる可能性があります。つまり、進むことも退却することもできない状態に追い込まれてしまうのです。
正しい事業計画を事前に立てることで、このような失敗を避けることができます。物件購入前に計画を立て、正しい不動産投資かどうかを確認する目を養うことが重要です。
不動産投資は大きなリスクを伴う事業です。計画を立てることでリスクを把握し、成功確率を高めることができます。このコラムでは事業計画の立て方についてご説明します。
2種類の事業計画
事業計画は二つ大きく二つの種類に分けることができます。
一つは全体を通した事業計画、つまり、これから10年、20年とあなたが自分の資産を大きくしていくにあたってどのような計画を全体立てればいいかという全体の計画です。
もう一つが、個別の事業計画一つの物件を買うときにその物件がどのぐらい儲かる物件なのかあるいはどういったようなリスクがある物件なのかそういったようなことをきちんと評価するための計画ということになります。これはもうちょっと簡単な言葉で言うと個別物件の収益のシミュレーションです。
一般的に不動産投資で事業計画を立てるときには銀行の融資を利用します。銀行の融資を利用する際に、事業計画を出してくださいと言われることが多くあります。その場合に出す事業計画はこの個別の収益シミュレーションです。
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全体計画
不動産投資における全体計画とは、10年、15年、20年といった長期的な視点で立てる計画のことです。もちろん、長い期間の中で景気や金利、自身の収入や仕事など、さまざまな変化が起こる可能性があります。しかし、変化は当然のこととして、全体的な投資計画を立てることが重要です。転職、引っ越し、家族との同居など、何か変化があった場合は、そのタイミングで計画を修正すれば良いのです。
大切なのは、長期的な視点に立ち、全体像を把握しながら、柔軟に対応していくことです。
最終的にどのような状態になりたいのか、具体的なゴールを明確にしましょう。
例えば、10年後には働かなくても毎月50万円の収入を得たいとします。その目標を達成するためには、年間家賃収入600万円、表面利回り5%となると、物件価格は1億2000万円となります。しかし、そこから運営費用や借入金の返済、毎年の税金等を考慮する必要があります。そうすると、さらに多くの物件を買う必要があることがわかるでしょう。それを得るために、どのような道筋で、どんな物件を買っていくのかを考える必要があるのです。
そして、これらの計画の解像度を上げていくためには、個別の物件ごとのシミュレーションに精通する必要があります。
つまり、まずゴールを設定し、次に個別のシミュレーションをして、ゴールまでの道筋を計画化していくということになります。
個別物件の収益シミュレーション
個別物件の収益シミュレーションはどのようにすればいいでしょうか?これは、全体計画に比べれば機械定期に行うことができます。必要な情報を収集し、それを組み立てることで、シミュレーションができます。
シミュレーションに必要な情報
シミュレーションに必要な情報は主に下記になります。
- 物件価格
- うち、土地価格、建物価格
- 物件情報
- 築年数、構造、広さなど
- 想定賃料
- 相続税路線価
- 借入可能額
- 借入金利
- 借入期間
- 家賃下落率
- 経費率
- 入居率
- 売却想定価格
- 再取得価格
- 月次返済額
実はこれらの多くの情報は仲介不動産会社から得ることができます。大半の項目は「物件概要書」に記載があります。また、記載がない内容も聞いてみれば答えてもらえることがほとんどです。
しかし、シミュレーションをする場合、それをそのまま鵜呑するようではいけません。
- 想定賃料として書いてある家賃が本当に取れるか?近隣の物件と比べてどうか?
- 家賃の下落率、売却想定価格についてはどのぐらい下振れがありえそうか?
ということについて、周辺物件をみてしっかりと見極め、その物件が買っても大丈夫なものかどうかを冷静に検討する必要があります。
なお、一旦情報を集めてしまえば、収支シミュレーションは自動的に行うことができます。
こちらのページで収支シミュレーションのやり方と、それに利用する表計算シートを配布しています。
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