【荒川区東尾久】表面利回り5.96%の新築一括借上げアパートは「買い」か?AIシミュレーションで検証

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【荒川区東尾久】表面利回り5.96%の新築一括借上げアパートは「買い」か?AIシミュレーションで検証
今回は東京都荒川区東尾久に位置する、2026年6月完成の新築木造3階建て1棟アパート(1K×4戸/1LDK×4戸)を紹介します。
日暮里舎人ライナー「熊野前駅」徒歩5分に加え、都電荒川線「宮ノ前駅」徒歩6分、日暮里舎人ライナー「足立小台駅」徒歩7分という3駅利用可能な立地です。
大手ハウスメーカーとの一括借上げ家賃保証契約が締結済みで、購入後すぐに月額80万円の収入が確定している状態です。

一括借上げによって安定した収益を見込める一方、保証賃料は市場相場と同じ水準なのか、契約が将来にわたって続く保証はあるのか、そして立地に潜むリスクはないのか等、押さえておきたい点もあります。
この記事では、TSONのAI投資シミュレーションツール「勝率一番」を用いて、自己資金の入れ方によって投資の安全性がどう変わるかを検証していきます。

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シミュレーション物件の概要書|荒川区東尾久 木造3階建て

所在地東京都荒川区東尾久
アクセス日暮里舎人ライナー 熊野前駅 徒歩5分都電荒川線 宮ノ前駅 徒歩6分日暮里舎人ライナー 足立小台駅 徒歩7分
販売価格1億6,100万円
想定年間収入9,608,760円(800,730円/月)
表面利回り5.96%
建物構造木造(主要構造部:準耐火構造)
築年月2026年6月
現況賃貸中
地目宅地
都市計画区域市街化区域
用途地域準工業地域
土地権利所有権
土地面積179.11㎡(公簿)
建物面積272.07㎡
間取り1K×4戸/1LDK×4戸(19.81㎡〜48.26㎡)
階数3階建て
総戸数8戸
駐車場なし
建ぺい率80%
容積率240%
接道状況公道 東4.00m
取引態様仲介
※セットバック1.37㎡/想定賃料は一括借上げ賃料に基づく記載です。

物件および周辺エリアの特徴

物件の特徴

本物件の第一の特徴は、新築であることです。
築年数が浅い物件は当面の修繕負担が小さく、融資期間も確保しやすくなります。

また木造ではあるものの主要構造部は準耐火構造で、劣化対策等級3を取得済みです。
これは構造躯体の耐久性に関する最上位の等級で、長期にわたり大規模な改修を要しない水準を意味します。

設備面は全戸バス・トイレ別、浴室暖房乾燥機、ウォシュレット、エアコン、網戸、室内洗濯機置場などが標準装備されており、単身者・カップル向けとして競争力のある仕様といえるでしょう。
間取りは1K×4戸と1LDK×4戸の構成で、入居者層を分散できる点も安心材料です。
学生・単身者向けと二人暮らし向けの両方に対応できるため、特定の需要が落ち込んだ際の影響を受けにくくなります。

エリアの特徴

熊野前駅は日暮里舎人ライナーと都電荒川線が交差する乗換駅です。
西日暮里駅まで2駅、日暮里駅まで3駅という距離で、JR山手線・京浜東北線への接続は良好といえます。
ただし後述するとおり、日暮里舎人ライナー沿線という点は賃貸需要の面で割り引いて考えたいところです。

荒川区の人口は2015年の209,087人から2024年には219,268人へと増加しています。
2021年・2022年に一時減少したものの、2023年+0.59%、2024年+1.13%と再び上向きに転じました。
公示地価も2015年の388,818円/㎡から2025年には633,063円/㎡へと上昇し、2025年の対前年比は+9.43%と東京都全体の+8.70%を上回っています。

エリアの性格として押さえておきたいのが、都心部にしては緑と水辺が身近にあるという点です。
物件の北側には隅田川が流れ、河川敷の緑地も近くにあります。
下町の落ち着いた雰囲気と生活利便性が両立しており、住環境としては悪くないといえるでしょう。

一括借上げは安定と引き換えに何を差し出しているのか

本物件には大手ハウスメーカーとの一括借上げ家賃保証契約が付いています。
空室が出ても賃料が保証されるため、収支計画が立てやすいという点は確かに魅力です。
ただし、その安定にはコストが伴います。

保証賃料は市場賃料の約73%

熊野前駅徒歩5分・新築という条件で賃料相場を査定し、本物件の戸数構成に当てはめると次のようになります。

区分市場賃料(中央値)戸数小計
1K(約20㎡)102,653円4戸410,612円
1LDK(約48㎡)173,421円4戸693,684円
合計(月額)8戸1,104,296円

これに対して保証家賃は月額800,730円ですので、市場賃料の約73%という水準です。
差額は月に約30万円、年間では約365万円にのぼります。

自主管理であれば管理委託料や広告費が別途かかりますし、空室期間も発生するため、この差額がまるごと利益になるわけではありません。
それでも27%という控除率は、空室リスクを引き受けてもらう対価としてはやや重いといえるでしょう。

仮に自主管理で運営し、年間の平均入居率を90%と見込んだ場合でも、収入は月額約99万円です。
空室を織り込んでもなお、一括借上げより高い水準となる計算です。
一括借上げは空室リスクを引き受けてもらえる一方、対価として毎年一定の収入を手放すことになる点は購入前に押さえておきたいところでしょう。

契約時に確認すべき3つの項目

とはいえ、一括借上げそのものが悪いわけではありません。
問題は、契約内容を把握しないまま「保証があるから安心」と考えてしまうことです。
掲載情報では一括借上げの解除も可能とされていますので、以下の点は購入前に必ず確認しておきましょう。

① 賃料改定のタイミングと条件

多くの契約では2年ごとなどの周期で賃料を見直す条項が設けられています。
保証賃料が将来にわたって固定されるわけではないため、収支計画の前提に関わるポイントとして意識しておきましょう。

② 免責期間の有無

新築の場合、引き渡しから一定期間は賃料が発生しない「免責期間」が設定されているケースがあります。
初年度のキャッシュフローに直結する項目となるため、必ず確認しておきましょう。

③ 解除の条件と原状回復費の負担

解除に予告期間や違約金が伴うのか、また退去時の原状回復費はどちらが負担するのかといった点は、契約によって扱いが異なります。
これらを確認した後、将来的に自主管理へ切り替える余地を残しておけるかという視点で契約書を読むことが大切です。

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AI投資シミュレーションで自己資金の効果を検証

TSONが提供する「勝率一番」は、収益性・返済余裕率・損益分岐入居率に加え、土地の資産性やエリアの人口動向・賃料トレンドまでを組み合わせて、投資の勝率をスコア化するツールです。
表面利回りだけでは見えてこない、返済後に手元に残るお金や空室への耐性まで含めて評価できる点が特徴となります。

本物件は保証賃料が確定しているため、収入面のブレは小さい案件です。
そこで今回は、自己資金額によって安全性がどう変わるかという観点で2パターンを比較しました。
金利2.0%・返済期間35年・入居率95%・運営費用12.0%は共通条件としています。

パターンA|自己資金約2割(勝率92%)

自己資金2,742万円(物件価格の約17%)、借入13,680万円とした場合の結果です。

指標評価
表面利回り5.96%
キャップレート4.98%
DSCR(借入償還余裕率)1.5安全
BER(損益分岐入居率)68.9%非常に安全
DSR(返済比率)60.5%やや不安
初年度ATCF(税引後CF)1,986,045円
10年売却時IRR9.04%

勝率は92%と高い水準です。
エリア関連の指標も地価評価80.7点・人口評価80.9点・賃料評価80.3点といずれも80点台で、荒川区という立地の評価が反映されています。

ただし、DSR60.5%は「やや不安」の帯に入りました。
実効総収入の6割がローン返済に回る計算で、手元に残る余裕はそれほど大きくありません。
BERも68.9%と、稼働率が64%を割り込むとキャッシュフローが赤字に転じる水準です。

保証賃料がある間はこの数字で問題ないでしょう。
しかし、将来的に賃料が改定されたり、一括借上げを解除して自主管理に切り替えたりする場面を想定すると、もう少し余裕を持たせておきたいところです。

パターンB|自己資金約3割(勝率100%)

自己資金5,152万円(物件価格の約32%)、借入11,270万円に抑えた場合です。

指標パターンAとの差
表面利回り5.96%変わらず
キャップレート4.98%変わらず
DSCR(借入償還余裕率)1.8+0.3(改善)
BER(損益分岐入居率)58.8%▲10.1pt(改善)
DSR(返済比率)49.9%▲10.6pt(改善)
初年度ATCF(税引後CF)2,838,274円+約85万円
10年売却時IRR5.89%▲3.15pt

勝率は100%となり、6つの指標すべてが基準値を超えました。
DSCRは1.8で「非常に安全」の領域に入り、DSRも49.9%と50%を下回っています。

またBERは58.8%まで下がり、赤字に転じる稼働率が53%以下となりました。
これは8戸のうち3戸が空いても収支が回る計算です。
日暮里舎人ライナー沿線という立地を踏まえると、この程度の余裕は確保しておきたいところでしょう。

安全性と収益率はトレードオフの関係にある

ここで見落とせないのが、IRRの動きです。
パターンAの9.04%に対し、パターンBは5.89%と3.15ポイント下がっています。

自己資金を厚くすれば返済負担は軽くなりますが、投下する資本そのものが増えるため、資金効率という点では悪化します。
レバレッジを効かせるほど利回りは高まり、その分だけ収支の余裕は削られるという関係です。

どちらが正解というものではありません。
ただ本物件については、一括借上げの契約が将来変更される可能性がある他、後述する立地面の条件も踏まえると、多少の収益率を差し出してでも安全域を確保しておく判断に合理性があるといえるでしょう。

見落とせない2つのリスク

数字の上では良好な結果が出ている本物件ですが、シミュレーションには反映されにくい条件が2つあります。
いずれも購入判断に直結する内容ですので、順に見ていきましょう。

浸水想定3〜5mというハザード条件

国土交通省のハザードマップで確認すると、本物件の所在地周辺は洪水による浸水深が3.0〜5.0mと想定される区域にあたります。
これは1階が水没し、2階部分まで浸水する深さです。

荒川区の防災地図(水害版)によれば、荒川流域で72時間総雨量632mmという想定最大規模の降雨が発生して堤防が決壊した場合、区内では最大5mの浸水が想定されています。
さらに、浸水が引くまでに最大2週間以上を要するとされている点も見逃せません。

本物件は3階建てですので、想定どおりの浸水であれば3階部分は水没を免れる計算です。
とはいえ1階・2階の住戸が長期間使用できなくなれば、収入は大きく落ち込みます。
火災保険に水災補償を必ず付帯させることはもちろん、設備の設置位置や電気系統の配置についても、可能な範囲で確認しておきたいところです。

もうひとつ、投資家にとって現実的な問題があります。
金融機関によっては、浸水想定区域内の物件に対して融資に慎重な姿勢を示すケースがあるという点です。
担保評価の減額や、そもそも取扱いを断られる場面も想定されるため、購入を検討する段階で複数の金融機関に打診しておくことをおすすめします。

日暮里舎人ライナー沿線という立地評価

本物件は3駅を利用できる点で恵まれていますが、このうち熊野前駅と足立小台駅はいずれも日暮里舎人ライナーの駅であり、実質的には2路線です。
そしてメインとなる日暮里舎人ライナーは、賃貸需要を支える路線として見た場合にやや弱さがあります。

日暮里舎人ライナーは日暮里駅と見沼代親水公園駅を結ぶ路線で、乗り換えの選択肢はJR線が集まる日暮里・西日暮里に限られます。
朝のラッシュ時の混雑が課題として指摘されることもあり、通勤路線としての評価は山手線内側の駅や主要私鉄沿線と比べると一段落ちるのが実情です。

都電荒川線も利用できますが、こちらは速達性という点で通勤の主軸にはなりにくい路線でしょう。
つまり、駅徒歩5分という数字ほどの賃貸需要の強さは期待しにくいということです。

だからこそ、一定の空室率を織り込んだ収支計画が必要になります。
パターンBのBER58.8%という水準は、こうした立地条件を踏まえたうえでの目標値として理解しておくとよいでしょう。

荒川区東尾久の物件に関するよくある質問

Q1. 一括借上げが付いていれば、空室は気にしなくてよいのでしょうか?

契約が続いている間は、空室が出ても保証賃料が支払われます。
ただし保証賃料は市場相場の約73%という水準であり、多くの契約には賃料改定の条項が設けられています。

「保証があるから空室は無関係」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
契約が変更・解除された場合に備え、実際の賃貸需要に基づいた収支も試算しておくことをおすすめします。

Q2. 浸水想定区域だと融資は受けられないのでしょうか?

一律に断られるわけではありません。
ただし金融機関によって判断が分かれる領域であり、担保評価が減額されたり、自己資金の上乗せを求められたりするケースがあります。

複数の金融機関へ事前に打診し、どのような条件が提示されるかを確認しておきましょう。
水災補償を付帯した火災保険への加入も、審査上プラスに働くことがあります。

Q3. 自己資金はどのくらい入れるのが適切ですか?

本物件のシミュレーションでは、自己資金3割(約5,152万円)でBERが58.8%まで下がり、勝率100%という結果になりました。
一方でIRRは9.04%から5.89%へと低下します。
安全性を取るか、資金効率を取るかという判断になりますが、立地条件を踏まえるとBER60%を下回る水準を一つの目安と考えて良いといえるでしょう。

まとめ

  • 表面利回り5.96%は一括借上げの保証賃料に基づく数字であり、市場賃料と比べると約73%の水準にとどまる
  • 自己資金2割ではDSR60.5%と余裕が乏しく、3割まで引き上げるとBERは58.8%、勝率は100%へと改善される
  • 浸水想定3〜5mというハザード条件と日暮里舎人ライナー沿線という立地は、収支計画に織り込んでおきたい要素といえる

新築・大手ハウスメーカーの一括借上げ付きという条件は、たしかに安心感のある組み合わせです。
ただし本物件については、保証賃料の水準と契約条件、そして立地に伴うリスクを確認したうえで判断したいところでしょう。
自己資金を厚めに入れて安全域を確保できるのであれば、荒川区という立地の資産性も含めて検討に値する物件といえます。

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増澤 貞昌

増澤 貞昌

不動産投資家 宅地建物取引士 令和3年行政書士試験合格

新卒で株式会社リクルートに入社したのち、20代のうちに起業する。
2014年株式会社鎌倉新書取締役に就任、同社はマザーズに上場(現在はプライム市場)。
リーマンショック後に個人で不動産投資を始める。地方築古、区分マンション、民泊運営、中古RC、新築RCなどの投資を経験。
自身のITスキルを活かして、情報収集ツールや物件の収益分析ツールを自作し、最小の労力で最良の意思決定をすることを強みにしている。
京都大学農学部卒業。

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