家賃が急上昇した駅はどこ?首都圏ランキングと投資妙味を解説【2025年版】

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家賃が急上昇した駅はどこ?首都圏ランキングと投資妙味を解説【2025年版】
首都圏の賃貸市場が大きく変わりつつあります。
2025年の繁忙期(1〜3月)における家賃データをみると、東京23区をはじめとした首都圏各地で賃料の上昇傾向が鮮明になっており、特にファミリー向け物件での上昇幅が際立っています。
これまで「家賃は下がりにくく上がりにくい」とされてきた賃貸市場において、なぜこれほどの上昇が続いているのでしょうか。

この記事では、不動産・住宅情報サービスを展開する株式会社LIFULLの公表データをもとに、首都圏で家賃上昇率が高かった駅の傾向を、単身向け・ファミリー向けに分けて整理します。
あわせて、賃料上昇局面が一棟アパート投資においてどのような意味を持つのかについても解説しますので、不動産投資を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

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なぜ首都圏の家賃が上昇しているのか

首都圏全体で家賃が上昇している背景には、複数の要因が重なっています。
なかでも特に影響が大きいとされるのが、分譲マンション価格の高騰都市部への人口集中の2点です。

分譲マンションの価格高騰が賃貸需要を押し上げている

近年、首都圏の分譲マンション価格は著しい上昇を続けています。
国土交通省が公表する「不動産価格指数(住宅)」によると、マンション(区分所有)の価格指数は2013年頃から上昇基調に入り、2024年には2010年比で約2倍の水準に達しました。

こうした価格高騰を受け、本来であれば持ち家の購入を検討していたファミリー世帯が、マイホームの取得を見送って賃貸市場にとどまるケースが増えています。
日本総合研究所の分析(2025年12月)でも、住宅価格の上昇によって賃貸を選択する家庭が増え、賃料上昇圧力につながっていることが指摘されています。

供給が限られるなかで賃貸需要が膨らむ構図が続いており、特にファミリー向け物件の賃料を大きく押し上げる要因になっているといえるでしょう。

参照:国土交通省「不動産価格指数」/日本総合研究所「突出する東京都区部の家賃上昇」(2025年12月25日)

都市部への人口集中が続いている

賃料上昇のもうひとつの背景として、東京圏への人口流入が衰えていない点が挙げられます。
総務省統計局が公表する「住民基本台帳人口移動報告」によると、2024年の東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)への転入超過数は13万5,843人と、前年から約9,300人拡大しました。

日本総合研究所の分析では、特に賃貸契約の機会が多い20〜30代の転入超過が東京都で高水準を維持していることが指摘されており、新規契約時に家賃を引き上げやすい環境が形成されているとしています。
人口流入が続く限り、賃貸需要の下支えとなる構造は変わりにくく、首都圏における賃料の上昇トレンドはしばらく継続するとみられています。

参照:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2024年(令和6年)結果

【単身向け】家賃上昇率が高かった駅の傾向

株式会社LIFULLが公表した「首都圏 2024年→2025年 家賃相場が上昇した駅ランキングTOP10」によると、単身向け物件(ワンルーム・1K・1DK・1LDK・2K)においても、首都圏の幅広いエリアで家賃が上昇していることが分かります。

以下のランキングは、LIFULL HOME’Sに掲載された賃貸物件の平均平米家賃を25㎡換算で算出・比較したものです。(2024年1〜3月/2025年1〜3月)

順位駅名上昇率2024年家賃相場2025年家賃相場
1目白(東京都)128.0%約9.1万円約11.7万円
2立川(東京都)127.3%約6.6万円約8.4万円
3新白岡(埼玉県)126.4%約4.9万円約6.1万円
4御茶ノ水(東京都)124.3%約11.2万円約13.9万円
5田町(東京都)121.9%約10.7万円約13.1万円
6東十条(東京都)121.3%約8.3万円約10.1万円
7箱根ヶ崎(東京都)120.1%約3.9万円約4.7万円
8亀戸(東京都)118.7%約9.0万円約10.7万円
9八丁堀(東京都)118.1%約11.2万円約13.3万円
10品川(東京都)117.9%約11.2万円約13.2万円
出典:LIFULL HOME’S PRESS調べ https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00552/

都心駅での上昇が顕著:目白・御茶ノ水・田町など

単身向け物件の上昇率が最も高かったのは「目白」で、わずか1年で3割弱もの上昇を記録しました。
そのほか「御茶ノ水」「田町」「八丁堀」「品川」といった都心の駅でも賃料上昇が顕著で、いずれも事業集積地かつ大学・専門学校などの最寄り駅であることが共通しています。
交通利便性と生活利便性の高さを背景に、10万円を大きく超える賃料水準にまで引き上がっている駅も見られます。

都心駅での上昇が際立つ理由のひとつとして、前述の人口集中と新規契約時の賃料改定のしやすさがあります。
入居者の入れ替わりのたびに募集賃料が引き上げられる傾向があり、需要の厚い都心立地ほどその動きが早く反映される構図です。

近郊・郊外でも2割超の上昇:立川・箱根ヶ崎など

上昇傾向は都心だけにとどまりません。
「立川」「新白岡」「箱根ヶ崎」など郊外に位置する駅でも、上昇率が2割を超えるケースが確認されています。

LIFULL HOME’S総研の分析によると、コロナ禍に発生した賃貸ユーザーの郊外転居が再び活性化していることが背景にあるとされています。
都心・近郊での賃料上昇が目立つにつれて、都心方面へアクセスしやすく、かつ賃料水準が比較的低い郊外駅が再注目されるようになり、結果として上昇率が高くなる現象が起きているのです。

つまり単身向け市場においては、都心での賃料高騰→近郊・郊外への需要分散→郊外家賃の底上げという連鎖的な上昇が首都圏全体に波及している状況といえるでしょう。

【ファミリー向け】家賃上昇率が高かった駅の傾向

同調査のファミリー向け物件(2DK・2LDK・3DK・3LDK・4DK・4LDK以上)のランキングでは、単身向け以上に大幅な賃料上昇が確認されています。
以下のランキングは、LIFULL HOME’Sに掲載された賃貸物件の平均平米家賃を70㎡換算で算出・比較したものです。(2024年1〜3月/2025年1〜3月)

順位駅名上昇率2024年家賃相場2025年家賃相場
1品川(東京都)165.5%約26.3万円約43.6万円
2十条(東京都)152.4%約18.9万円約28.9万円
3八王子(東京都)149.9%約11.2万円約16.9万円
4東十条(東京都)142.2%約20.7万円約29.5万円
5池袋(東京都)137.4%約25.4万円約35.0万円
6菊名(神奈川県)137.3%約15.4万円約21.2万円
7御茶ノ水(東京都)135.8%約32.5万円約44.1万円
8荻窪(東京都)132.1%約20.1万円約26.5万円
9十日市場(神奈川県)129.0%約11.2万円約14.4万円
10浜松町(東京都)128.0%約39.4万円約50.5万円
出典:LIFULL HOME’S PRESS調べ https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00552/

上位10駅の平均上昇率は141.0%:品川・十条・八王子が上位に

ファミリー向け物件の上位10駅の平均上昇率は141.0%と、昨年から1.4倍の水準に達しました。

最も上昇率が高かった品川では1年で約17.2万円もの上昇となり、2025年の家賃相場は約43.6万円と極めて強気な水準に達していることが分かります。
また「池袋」「御茶ノ水」「浜松町」など都心の主要駅でも、月額40万円前後にまで引き上がっています。

都心近郊でも1.5倍前後の上昇:十条・東十条・菊名など

交通利便性の高い東京都内の駅が多数ランクインする一方、「十条」「八王子」「東十条」「荻窪」など都心から距離のある駅の賃料も昨年から1.5倍前後に引き上がっており、賃料の上昇は首都圏全域に及んでいる状況といえるでしょう。
また神奈川県内の「菊名」「十日市場」は、いずれも交通利便性が良好な割に賃料水準が安定していたため、上昇率が高まっているとされています。

ファミリー向け賃料の上昇が投資に与える意味

こうしたファミリー向け賃料の大幅な上昇は、一棟アパート投資において重要な意味を持ちます。
まず賃料水準が上がることで、既存物件の再募集時に賃料改定を行いやすくなるという点が大きなメリットです。
特にファミリー向け物件は単身向けと比べて入居期間が長い傾向にあるため、長期入居による安定収入と、退去時の賃料改定機会を組み合わせることで、収益性の向上を期待できる局面といえるでしょう。

ただし賃料上昇エリアは物件取得価格も上昇しているため、利回りが圧縮されるリスクもあわせて考慮する必要があります。
賃料の上昇トレンドを正確に把握したうえで、取得コストとのバランスを慎重に見極めることが重要です。

参照:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「第28回賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)

家賃上昇エリアへの投資で注意すべきポイント

賃料の上昇トレンドは一棟アパート投資においてプラスの材料となる一方、いくつかの落とし穴も生じさせます。
賃料上昇エリアへの投資を検討する際には、以下のポイントを事前に整理しておくことが重要です。

取得価格の上昇によって利回りが圧縮されやすい

賃料が上昇しているエリアでは、地価・物件価格も同様に上昇している場合がほとんどです。
賃料が上がっていても、取得価格の上昇幅が賃料の上昇幅を上回るケースでは、表面利回りはむしろ低下します。
「家賃が上がっているから有利」という単純な判断ではなく、想定賃料と取得価格の両面からキャッシュフローをシミュレーションしたうえで判断することが欠かせません。

募集賃料と成約賃料のギャップに注意する

この記事で参照しているLIFULL HOME’S PRESSのランキングデータは、募集賃料(新たな入居者を募集する際の掲載賃料)をもとにしています。
複数の賃貸管理会社によると「再募集時の値上げ幅より、更新時に提示する値上げ幅は小さい」とされており、実際に成約した賃料や更新時の賃料とは乖離が生じる場合があります。
投資の収益計画を立てる際には、募集賃料をそのまま満室想定賃料として用いるのではなく、周辺の成約実績や管理会社へのヒアリングをもとに保守的な数値で試算することを心がけましょう。

金利上昇局面との同時進行を意識する

現在の賃料上昇局面は、日本銀行による金融政策の転換にともなう金利上昇局面とも重なっています
賃料収入が増加しても、変動金利型ローンを利用している場合は返済額の増加により手元のキャッシュフローが圧迫されるリスクがあります。
金利動向が一棟アパート投資に与える影響については、別途シナリオ別に整理しておくことが重要です。

家賃上昇エリアへの投資に関するよくある質問

Q1. ランキング上位の駅周辺ならどんな物件でも収益が上がりますか?

A. 一概にそうとはいえません。
ランキング上位の駅は賃料水準が高い反面、物件取得価格も上昇している傾向があります。

表面利回りだけでなく、取得価格・返済条件・管理コストを含めたキャッシュフロー全体で判断することが重要です。
また募集賃料はあくまで掲載時点の希望賃料であり、実際の成約賃料や更新時賃料とは差が生じる場合があるため、保守的な前提で収益シミュレーションを行うことをお勧めします。

Q2. 投資するならファミリー向けと単身向けのどちらが有利ですか?

A. 一棟アパート投資においては、ファミリー向け物件のほうが入居期間が長く、安定収入を得やすいという特徴があります。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の調査(第28回日管協短観)によると、ファミリー世帯の平均居住期間は5年3ヵ月と、単身世帯の3年3ヵ月より約2年長い傾向にあります。

今回のランキングでも、ファミリー向け物件のほうが単身向けよりも上昇率が高く、需要の底堅さが数字にも表れているといえるでしょう。
ただし物件の規模・立地・取得価格によって収益性は大きく異なるため、間取り単体で判断するのではなく、エリアの需要特性とあわせて総合的に検討することが大切です。

Q3. 今後も首都圏の家賃上昇は続くと考えてよいですか?

A. 現時点では上昇トレンドが続くとみる見方が有力ですが、断言はできません。
アットホームと三井住友トラスト基礎研究所が共同で公表する「マンション賃料インデックス」(2026年3月公表)によると、東京23区の賃料は2025年第4四半期時点で前年同期比+5.3%と、13四半期連続で過去最高値を更新しています。

一方で、景気の先行き不透明感や金利上昇による住宅市場の変化など、賃料トレンドを反転させうる要因も存在します。
投資判断においては、上昇が永続するという前提に立つのではなく、賃料が横ばいになった場合や一定程度下落した場合のシナリオも想定したうえで収益計画を立てることが重要です。

参照:アットホーム・三井住友トラスト基礎研究所「マンション賃料インデックス」(2026年3月23日公表)

まとめ

  • 首都圏の家賃はファミリー向けを中心に大幅上昇し、上位10駅の平均上昇率は141.0%、東京23区のファミリー向き賃料は前年同期比+12.4%を記録した
  • 都心駅だけでなく「十条」「東十条」「荻窪」「菊名」など近郊・郊外エリアにも上昇の波及が確認されており、首都圏全域での賃料底上げが進んでいる
  • 賃料上昇局面はインカムゲインの改善につながる一方、物件取得価格の上昇・募集賃料と成約賃料のギャップ・金利上昇リスクをあわせて考慮することが欠かせない

賃料が上昇している今だからこそ、エリアの選び方と取得価格のバランスをより慎重に見極めることが求められます。
特にファミリー向け物件は分譲マンション価格の高騰を背景に需要が厚く、長期入居による安定収入という観点でも注目度が高まっています。
今後も人口動態や地価の動向を継続的にチェックしながら、長期的な収益性を意識した投資判断を行うことが重要です。

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増澤 貞昌

増澤 貞昌

不動産投資家 宅地建物取引士 令和3年行政書士試験合格

新卒で株式会社リクルートに入社したのち、20代のうちに起業する。
2014年株式会社鎌倉新書取締役に就任、同社はマザーズに上場(現在はプライム市場)。
リーマンショック後に個人で不動産投資を始める。地方築古、区分マンション、民泊運営、中古RC、新築RCなどの投資を経験。
自身のITスキルを活かして、情報収集ツールや物件の収益分析ツールを自作し、最小の労力で最良の意思決定をすることを強みにしている。
京都大学農学部卒業。

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