不動産投資のキホン

2025年9月25日

【年収1,500万円】資産拡大につながる3つのポイント

年収1,500万円クラスになると、不動産投資の規模は一気に拡大し、資産形成のスピードも加速します。
ただし「規模を大きくするほどリスクも増える」という点には注意が必要です。
この記事では、年収1,500万円の投資家が資産を拡大していく上で知っておくべき3つのポイントを解説します。

年収1,500万円の投資家が直面する課題とは

高属性ゆえに借入可能額は大きい

年収1,500万円ともなると、金融機関からは極めて高属性とみなされ、借入可能額はさらに拡大します。
個人であっても1億円前後の融資枠が出る可能性があり、一棟マンションや商業用不動産など、より多様な投資対象にアクセスできるようになります。

また既存の不動産を担保にした追加融資や、複数の金融機関からの同時融資を組み合わせることも可能になり、投資規模を一気に広げられるのがこの層の強みです。

融資の選択肢が広がる一方でリスクも拡大

属性の高さからメガバンク・地銀・ノンバンクといった複数の金融機関が融資先となり得ます。
条件の柔軟性も高まりますが、規模が大きい分だけ空室や金利上昇の影響が表面化しやすい点には注意が必要です。
数千万円単位の収支変動が起こり得るため、リスク管理の難易度はむしろ高まるといえるでしょう。

規模拡大と安定性のバランスがカギ

この層の投資家が陥りやすいのは、借入枠を過信して規模拡大を急ぎすぎることです。
資産は大きく膨らんでも、キャッシュフローが伴わなければ運用の安定性は確保できません。
資産規模の拡大と安定運用のバランスをどう取るかが、年収1,500万円層にとっての最大の課題といえるでしょう。

資産拡大のポイント① 融資戦略を最適化する

メガバンク・地銀・ノンバンクを使い分ける

年収1,500万円クラスの投資家は、複数の金融機関から選択肢を持てるのが強みです。
メガバンクは低金利で長期融資に対応しやすく、地銀や信金は地域密着型で条件提示の柔軟性が高いといった特徴があります。

またノンバンクは金利がやや高めですが、融資枠を大きく取れるケースが多く、規模拡大を急ぐ際には有効です。
このように、金融機関ごとの異なる特徴を理解し、ニーズに合わせて適切に使い分けることが大切です。

法人化による融資枠の拡大

不動産投資の規模が一定値を超えてくると、個人ではなく法人として融資を受ける選択肢が見えてきます。
法人化することで融資枠が広がりやすく、所得の分散や節税効果なども期待できるようになります。
ただし法人化には設立コストや会計管理の手間がかかるため、税理士などの専門家と相談しながら進める必要があるでしょう。

長期・短期ローンの組み合わせ

資産拡大を目指す場合、ローンの組み合わせ方も重要なポイントです。
例えば一棟マンションを長期ローンで安定運用しつつ、小規模物件を短期ローンで回転させていくことで、キャッシュフローと資産形成のバランスを両立させやすくなります。
このように、複数のローンを組み合わせ、無理のない返済を維持しながら投資規模を拡大していくというのが効率的な資産拡大のやり方です。

シミュレーション例

以下に長期・短期ローンの組み合わせによる投資シミュレーション例を紹介します。

<一棟マンション(長期ローン)>

条件

  • 物件価格:1億2,000万円
  • 融資額:1億円
  • 自己資金:2,000万円
  • 家賃収入:月額80万円(年間960万円)
  • 諸経費率:15%
  • ローン金利:1.5%
  • 返済期間:35年

収支計算

  • 年間返済:約360万円
  • 年間支出:諸経費(約144万円)+返済360万円=504万円
  • 年間手取り:960万円 − 504万円 = 約456万円

小規模アパート(短期ローン)>

条件

  • 物件価格:4,000万円
  • 融資額:3,000万円
  • 自己資金:1,000万円
  • 家賃収入:月額25万円(年間300万円)
  • 諸経費率:15%
  • ローン金利:1.5%
  • 返済期間:15年

収支計算

  • 年間返済:約260万円
  • 年間支出:諸経費(約45万円)+返済260万円=305万円
  • 年間手取り:300万円 − 305万円 = ▲5万円

短期ローンはキャッシュフローが圧迫されやすいものの、15年で返済が完了するため資産回収スピードが速いという特徴があります。
そのため安定したキャッシュフローを得られるメイン資産と組み合わせ、「回転用」の物件として売却益を狙う戦略に適しているといえるでしょう。

資産拡大のポイント② ポートフォリオを多様化する

区分・一棟・商業用不動産の組み合わせ

資産規模が拡大していく段階では、投資対象を一つに偏らせないことが重要です。
たとえば区分マンションは売却のしやすさに強みがあり、一棟ものは安定した家賃収入が魅力の物件です。
また商業用不動産であれば利回りの高さが期待できるなど、物件ごとの特徴を理解したうえで適切に組み合わせることができればリスク分散につなげられるでしょう。

地方と都市圏のバランス

都市圏は需要が安定しているため資産価値が落ちにくいものの、利回りは低めに抑えられる傾向があります。
反対に、地方都市や郊外は高利回りを狙いやすい一方で、需要の波が大きい点に注意が必要となります。
このように、立地の異なる物件を組み合わせて保有することで、収益と安定性のバランスを取りやすくなるというのもポートフォリオを多様化するメリットの1つです。

現物投資とREIT・小口商品の併用

ある程度規模を拡大した投資家であっても、すべてを現物不動産に集中させるとリスクが大きくなります。
そのため不動産小口化商品やREITなどをポートフォリオに加え、少額の分散投資を行いながら現物物件の運用リスクを補うという方法がおすすめです。
資産全体を俯瞰し、複数の手法を組み合わせることが資産拡大フェーズでは有効といえるでしょう。

資産拡大のポイント③ キャッシュフローとリスク管理

空室リスク・金利上昇リスクへの備え

投資物件の規模が大きくなるほど、空室による収入への影響も大きくなる点には注意が必要です。
また金利が上昇すれば返済額が増えてしまうため、キャッシュフローを圧迫する可能性が高まります。
そのため、あらかじめ複数のシナリオで収支シミュレーションを行い、最悪のケースでも赤字を避けられるかどうかを確認することが重要です。

出口戦略(売却・組み換え)を意識する

不動産投資は「買うときよりも売るときが大事」といわれます。
長期保有で安定収入を狙うのか、値上がり益を狙って早めに売却するのか、事前にこれらの方向性を決めておく必要があるでしょう。
規模拡大フェーズでは、ポートフォリオの一部を売却しながら入れ替えを行うといった戦略も有効です。

資産管理会社・税務戦略の導入

年収1,500万円層の方が投資規模を拡大していくと、税負担も無視できない規模になっていきます。
この場合、資産管理会社を設立して法人として運用することで、節税や承継の面で有利になるケースがあります。
また専門家と連携して適切な税務戦略を組み込むことで、キャッシュフローを守りながら資産を増やすことができるでしょう。

まとめ

  • 年収1,500万円層は1億円前後の融資枠が見込め、投資対象の幅が大きく広がる
  • 資産拡大のカギは「融資戦略」「ポートフォリオの多様化」「キャッシュフロー管理」の3点
  • 借入枠を活かしつつも、規模拡大と安定性のバランスを取ることが不可欠

年収1,500万円クラスになると、一棟マンションや商業用不動産など大規模な投資も視野に入ります。
ただし収支の変動幅も数百万円単位に及ぶため、戦略性と慎重なリスク管理が求められます。
融資条件を賢く使い分け、安定と拡大を両立させることが、長期的な資産形成の成否を分けるポイントになるでしょう。

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